遺言書は、人間の最後の意思表示と言われております。
生前のうちに遺言書を作成しておけば、ある程度、他界後
のことを決めておくことができます。
なぜなら、相続手続きでは、何よりも
遺言書に書いてあることが
優先されるからです。
法的に有効な遺言書であれば、相続人全員の合意がなくても
相続手続きができます。
遺言書には
自筆証書遺言 公正証書遺言 秘密証書遺言
の3種類の形式があります。この中から自分に合ったものを
選ぶことになります。
ここではまず、法的に有効になること(遺言書でできること)を
ご説明いたします。
1、「財産処分方法に関すること」
@法定相続人以外の方に財産をゆずりたい(遺贈)
たとえば・・・・内縁の妻に家を残してあげたいときや、一生懸命介護をしてくれた
長男のお嫁さんに財産の一部を分けたいときなど。
A団体等に寄付をしたい
たとえば・・・・お世話になった団体に財産の一部を寄付したいときなど。
この2つは特に、
遺言書がなければできないことです。
いくら何十年も生活を共にし、夫婦同然であっても、内縁関係の人には
一切相続権はありません。このような場合は、遺言書によって遺贈の指定をする
ことができるのです。
※
財産処分は遺言者が自由に決めることができます。
ただし、後々のトラブルを防ぐためには、遺留分を侵害しない範囲での指定
が賢明です。
2、「身分に関すること」
@認知したい子供がいる方
たとえば・・・・・婚姻外の子がいて、その子に財産を残したい場合、認知をする
必要があります。
また、遺言によってまだ生まれていない胎児の認知を指定することが
できます。
※ 認知を指定した場合は
遺言執行者の指定をしておくとスムーズです。
A後見人、後見監督人の指定をしたい
たとえば・・・・相続人の中に未成年の方がいる場合、信頼のできる人物に
その財産を管理する後見人を指定できたり、またその後見人を監督
する後見監督人を指定することができます。
3、「相続に関すること」
@特定の相続人に多くの財産を相続させたい。
たとえば・・・・何人かの子供のうち世話をしてくれた一人に多くを相続させたい
ときなど、
法定相続分と異なる割合で指定できます。
A遺産分割の方法の指定をしたい
たとえば・・・・「この土地はAに、この預金はBに」といった分割を具体的に指定
することができます。
B遺産分割を禁止させたい
たとえば・・・・遺言書で遺産分割を禁止することができます。
ただし、その期間は5年間に限られています。
C相続人の廃除の指定をしたい
たとえば・・・・相続人の中に著しい非行をした人や、自分に対して大きな
侮辱、虐待を加えた人がいる場合、その相続人を排除する
指定ができます。(
相続人の廃除)
※ 廃除のを指定した場合は
遺言執行者の指定をしておくとスムーズです。。
D相続人の廃除の取消をしたい
たとえば・・・・既に家庭裁判所に相続人の廃除の申立てを行っており、それが
認められていた場合、その排除の取消も遺言によって指定できます。
※ 廃除の取消を指定した場合は
遺言執行者の指定をしておくとスムーズです。
E相続人の担保責任の指定
たとえば・・・・4人兄弟のうち、Aが相続した土地が、坪数不足や
その他の理由で損害を受けた場合、AはB、C、Dに対して、その
相続分に応じて損害の保証を求めることができます。遺言によって
この法定されている担保責任を軽減、免除、加重することができます。
F減殺方法の指定
たとえば・・・・1の「財産処分方法に関すること」でご説明した遺贈や、贈与が、
遺留分を侵害している場合には、遺留分権利者が減殺請求をする
ことがあります。
この減殺の方法を遺言者が決めることができます。
G特別受益の持戻しを免除する指定
たとえば・・・・通常、相続人Aに生前、特別に財産を与えていた場合(
特別受益)
は、相続財産の中に加えられ、相続人Aの相続分から特別受益は
差し引かれます。しかし、遺言で指定することによって、
持戻しを免除できます。
4、「遺言執行に関すること」
@遺言執行者の指定又はその委託
たとえば・・・・遺言書に書かれている財産処分方法や、認知、相続人の排除に
関することなどを、遺言者の代わって忠実に実行する遺言執行人を
指定できます。
※ 遺言執行者がいる場合には、相続人は相続財産の処分、その他遺言の
執行を妨げる行為はできないと定められています。
相続開始後にトラブルが起きそうな場合には、遺言執行者を指定いて
おいた方がよいでしょう。
詳しくは「
遺言執行者」をご覧下さい。